裁判離婚にかかる平均的な期間とは?手続きの流れや費用について

代表弁護士 染川 智子 (そめかわ さとこ)

離婚の方法の1つに,裁判離婚があります。裁判になると長い時間がかかるというイメージを持たれている方は多いと思いますが,実際には,どの程度の期間がかかるものなのでしょうか。

この記事では,離婚訴訟の手続きの流れや費用について,説明していきます。

裁判離婚とは?

離婚には,大きく分けて,協議離婚,調停離婚,裁判離婚の3つの種類があります。

夫婦間の話し合いによって離婚をする協議離婚の方法がとられることが多いですが,話し合いがうまく進まなかったり,話し合いができなかったりする場合には,家庭裁判所での離婚調停を行い,調停離婚をすることになります。

さらに,離婚調停でも話し合いがまとまらずに,調停が不成立となってしまった場合,それでも離婚を希望する場合には,離婚訴訟を提起しなければならないことになります。

離婚訴訟では,離婚そのものだけでなく,離婚後の親権者をどうするかや,財産分与,年金分割,子どもの養育費などの財産的な問題についても,離婚と同時に決めることができます。また,離婚訴訟とあわせて,離婚に伴う慰謝料を求める訴訟を起こすこともできます。

こうして行われた離婚裁判を経た離婚を,裁判離婚といいます。

裁判離婚には事前の調停と法定離婚事由が必要になる

調停前置主義

離婚裁判を提起するためには,その前にまず離婚調停を申し立てなければなりません(家事事件手続法257条)。離婚のような身分関係の問題については,公開の法廷で争う裁判よりも,円満かつ自主的な解決を導く家事調停が望ましいとされているためです。

これを,「調停前置主義」といいます。

法定離婚事由

当事者の一方が離婚を拒否している場合に,裁判で離婚が認められるためには,「法定離婚事由(原因)」が必要となります。

法定離婚事由は,民法770条1項の1号~5号に定められています。具体的には,次のような事由です。

  • 1 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 2 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
  • 4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • 5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

5は,1~4に当てはまる事情がない場合でも,様々な事情を考慮して,婚姻生活を継続し難いと考えられる重大な理由がある場合に認められる離婚事由です。例えば,暴力や暴言(DVやモラハラ),長期間の別居,ギャンブル,借金,過度の浪費などがある場合に認められることがあります。

離婚訴訟の手続きの流れとかかる費用

手続きの流れ

1 家庭裁判所に訴状を提出する(訴えの提起)

夫または妻の住所地の家庭裁判所に,訴状を提出して,離婚訴訟を提起します。

2 被告が答弁書を提出する

被告(訴えを起こされた人)は,訴状の内容を認めるかどうかなどを明らかにする答弁書を提出します。

3 第1回口頭弁論期日

家庭裁判所における審理が始まります。基本的には,書面を中心に審理が進められます。

4 第2回以降の期日

約1カ月ごとに期日が入ります。書面によって,お互いの主張と反論を繰り返します。

途中で,裁判官から和解がすすめられることもあります。話し合いがまとまれば,和解が成立します。和解成立の場合は,その時点で和解離婚となります。

5 証拠調べ(当事者尋問など)

和解にならない場合には,通常,当事者(夫と妻)の尋問が行われます。不貞が問題になっている場合には,不貞相手の証人尋問が行われることもあります。

6 判決

証拠調べを終えても和解が難しい場合,判決となります。

判決書が送達された日から2週間以内に控訴がない場合,判決は確定します。

7 離婚届の提出

判決確定後10日以内に,「判決書謄本」「判決確定証明書」をつけて,離婚届を市町村役場へ提出します。

費用

離婚訴訟にかかる費用としては,主に,訴え提起の手数料と連絡用の郵便切手代があります。

訴え提起の手数料は,次のとおりです。

① 離婚(親権者の指定を求める場合を含む)のみを求める場合→1万3000円

② 離婚と併せて財産分与,養育費の請求などを行う場合→①に加えて,各1200円

養育費を求める子供の1人ごとに1,200円の加算が必要です。

③ 併せて慰謝料を求める場合→①の手数料と慰謝料請求に対応する手数料とを比較して,多い方を加算する

なお,調停不成立等の通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起した場合には,調停申立の際に納めた手数料分を引くことができます。

郵便切手代については,各家庭裁判所により異なりますので,訴える際に確認の必要があります。

裁判離婚にかかる期間は1~2年ほど

上記のような流れで進む離婚裁判ですが,それぞれの期日の間は,約1カ月~1カ月半ほどあくので,反論や再反論が繰り返されるような場合,長い期間がかかる場合があります。

平均的な期間は,だいたい1年~2年ほどです。もっとも,早めに和解が成立して終了することも少なくはありません。

離婚訴訟を有利に進めるためには弁護士の力が不可欠です

離婚訴訟では,話し合いである離婚調停とは異なり,法的に不足のない適切な主張と立証が必要となります。

裁判において離婚が認められるためには,法定離婚事由が必要であると説明しましたが,裁判では,どのような事情がこれに当たるのかをきちんと主張し,かつ,その事由が存在するということを,存在を主張する側が証拠によって立証しなければなりません。

また,先ほど説明しましたように,離婚訴訟において決めることは,離婚そのもの以外にも,様々あります。それらの事項それぞれについて,法的な主張・立証が必要となるのです。

専門的な知識と経験がなければ,このような裁判を有利に進めていくのは大変困難です。

弁護士は,日々裁判などを行っている専門家ですから,きちんとした知識のもと,依頼者にとって最大限有利な条件で離婚ができるように,裁判を進めていきます。

離婚を考えている場合には弁護士にご相談ください

このように,裁判離婚になるような場合,弁護士が不可欠であるといっても過言ではありません。

また,弁護士に依頼をすれば,裁判になってしまう前に,交渉や調停で解決に導くことも可能となるかもしれません。

裁判になると,かなりの期間を要しますので,早めに弁護士にご依頼いただくことをおすすめします。

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