相手と離婚したくない!そういう場合はどうすればいいの?その対策方法とは

あわざ総合法律事務所
代表弁護士 染川 智子 (そめかわ さとこ)

突然夫や妻から離婚してほしいと言われ,離婚したくない!という想いを持たれている方もいると思います。

ここでは,そのような方に向けて,相手から離婚を求められた場合にどう対処すればよいのかについて,説明していきます。

別居に応じることは場合によっては逆効果

相手から離婚を提案されて,話し合いをしていると,「一度距離を置いて考えましょう」などといった提案を受けることも多いと思います。

しかし,簡単に別居に応じると,冷静になって関係改善に向けた話し合いができるようになるどころか,離婚へ進んでいく可能性が高まってしまうということもよくあります。

そもそも,別居は,後でも説明する,裁判で離婚が認められるために必要な事由(法定離婚事由)を判断するうえでも重要な要素になっています。一般的に,別居期間が長引けば長引くほど,離婚が認められる可能性は高くなるのです。

また,相手の別居の真の目的は,冷静になって話し合うことではなく,離婚に向けた準備を進めることにある場合もあります。

ですから,離婚をしたくない!という場合には,できる限り別居は避けるべきといえるでしょう。

離婚回避のための調停~円満調停~

裁判所における調停は,離婚のためのものという印象が強いかもしれませんが,「円満調停」といって,円満な夫婦関係を回復するための話し合いをする場として利用することのできる調停も存在します。

円満調停では,調停委員が,夫と妻の双方から別々に話を聴き,夫婦関係が円満でなくなった原因考え,どのようにすれば夫婦関係が改善していくかなどのアドバイスをしたりします

もっとも,円満調停は,あくまでも話し合いの場ですので,相手の配偶者に強制的に夫婦円満のための行動を行わせるなどはできませんし,円満調停での話し合いの結果,結局は離婚に至るということもありますので,よく考えたうえで申し立てた方がよいでしょう。

離婚届の不受理申出書の提出

離婚を拒否している場合,相手が勝手に離婚届を提出してしまうということもあり得ます。一度勝手に離婚届が提出されてしまうと,これを覆すのは容易ではありません

そのような場合に提出しておくとよいのが,「離婚届の不受理申出書」です。この離婚届の不受理申出書を市役所に提出しておくと,離婚届が勝手に受理されることはなくなります

法定離婚事由(原因)があると離婚になってしまう?

相手が離婚を望んでいる場合,どんなに拒否しても,最終的に裁判になるとかなりの確率で離婚が認められてしまうというケースがあります。

それが,法定離婚事由がある場合です。

法定離婚事由は,民法770条1項の1号~5号に定められています。具体的には,次のような事由です。

  • 1 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 2 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
  • 4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • 5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

上記5の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」とは,1~4に当たる事由がない場合にも,様々な事情を考慮して,夫婦関係が破綻していると判断される場合をいいます。例えば,DVやモラハラ,長期間の別居,過度の浪費などがある場合です。

法定離婚事由の存在が立証される場合には,たとえ離婚を拒否しても,多くの場合は,最終的には離婚が認められてしまいます。

なお,夫婦関係を破綻させる原因を作った側の配偶者(「有責配偶者」といいます。)からの離婚請求は原則認められませんので,上のような事情があっても,相手の不貞であるとか相手のモラハラであるとかの場合には,こちらが拒否しているにも関わらずすぐに離婚が認められてしまうということはありません。

ただし,別居期間がかなり長期に及んでいるなどのいくつかの条件が満たされた場合,相手が有責配偶者でも離婚が認められてしまう可能性もありますので,有責配偶者から離婚請求を受けているような場合には,一度弁護士に相談してみてください。

離婚が避けられない場合は,これだけは譲れないという条件を決めておく

離婚をしたくないという気持ちがあっても,最終的には離婚が避けられないということはよくあります。

ですから,離婚の話が出て,離婚に至る可能性もあると思われる場合には,離婚の場合に問題になる点(親権,財産分与,養育費など)について,自分が譲れないと考えるポイントを事前に考えておくとよいでしょう。相手が離婚を強く望んでいる場合,離婚に同意をする代わりに条件面での譲歩を引き出すことができる場合もあります。

いざ離婚となったときに,条件をよく考えずに離婚届を提出してしまうと,あとあと後悔するケースも多いので,譲れない条件をあらかじめ決めておくことはとても大事です。

相手から離婚を求められた場合には,弁護士にご相談ください

弁護士に相談をしてもらえれば,相手が求めている離婚を回避するためにはどのように行動が最適なのか,また,もし離婚が避けられない場合にはどのような事柄について考えておく必要があるのかなど,様々な点について,適切なアドバイスを受けることができます。

「離婚したくない!」という気持ちだけを1人で抱え込むよりも,弁護士に相談した方が,よい方法をみつけられる可能性は高まります。弁護士への相談が遅れて後悔しないように,早めにご相談いただくことをおすすめします。

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